1次試験対策

財務・会計で60点をとるために必要な中小企業診断士の勉強法

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財務・会計は中小企業診断士試験において最重要科目です。1次試験だけでなく、2次試験でも単独科目として出題されるので、時間をかけてしっかりと取り組む必要があります。

難易度も高い科目であり、1次試験の科目合格率は10%を割りこむ年も多いです。

  • 苦手とする受験生も多く、この科目のために診断士試験を諦めてしまう人もいる

ほどです。

とは言うものの、基礎をしっかり固めて問題演習に取り組めば、初学者でも合格点獲得は決して不可能ではありません

中小企業診断士の財務・会計の合格点を獲得する勉強法を知ることで、財務会計を攻略しましょう。

中小企業診断士の財務・会計の難易度(レベル)

中小企業診断士の財務・会計の難易度は「難しい」です。

損益計算書、貸借対照表などの会計の基礎から、ファイナンス理論まで出題範囲も幅広く、応用力も問われます。

計算問題が苦手な方にとっては鬼門とも言える科目でしょう。

ただ、難易度は「難しい」としましたが、出題傾向などは例年大きく変わりません。問題自体もトリッキーなものは少ないので、基礎をしっかり固めて問題演習に取り組めば、初学者でも合格点獲得は決して不可能ではありません。

理由を

  • 科目設置の目的
  • 問題数と配点
  • 合格率推移

の3つから解説してきます。

財務・会計科目設置の目的

科目設置の目的(出題者の真意)を知っておくことは、財務・会計だけに関わらず、その他科目おいても、基礎理解を促進させるために非常に重要です。

そこで、中小企業診断士の試験案内に記載されている財務・会計の科目設置目的をみてみると、

財務・会計に関する知識は企業経営の基本であり、また企業の現状把握や問題点の抽出において、財務諸表等による経営分析は重要な手法となる。また、今後、中小企業が資本市場から資金を調達したり、成長戦略の一環として他社の買収等を行うケースが増大することが考えられることから、割引キャッシュフローの手法を活用した投資評価や、企業価値の算定等に関する知識を身につける必要もある。このため、企業の財務・会計について、以下の内容を中心に知識を判定する。

引用:平成31年度中小企業診断士第1次試験案内

と書かれています。

  • 財務諸表等による経営分析
  • 割引キャッシュフローを活用した投資評価や企業価値の算定等

が財務・会計の中でも特に重要な要素だと分かります。

財務・会計の問題数と配点

財務会計の問題数は例年25問。配点は1問4点です。

1問あたりの配点が大きいので、単純な計算間違いをしてしまうと痛いです。

中小企業診断士の1次試験では電卓を持ち込むことはできないので注意しましょう。

試験時間は60分。計算が必要な問題が多く、1次試験の中では最も時間が厳しい科目です。タイムマネジメントをしっかり行う必要があります。

財務・会計の科目合格率推移

年度

合格率

H30年度

7.3%

H29年度

25.7%

H28年度

21.6%

H27年度

36.9%

H26年度

6.1%

平成27年度からは比較的合格率が高い状態が続いていましたが、平成30年度は大幅に難化しました。

ただ、平成26年度以前を見ても科目合格率が20%を超える年はほとんどありません。

大幅に難化した翌年は簡単になると楽観視する方もいるかもしれませんが、平成30年度程度のレベルの問題が今後も出題されると考えておくべきでしょう。

中小企業診断士の財務・会計の勉強範囲

中小企業診断士試験案内には財務・会計の試験範囲として以下の内容が記載されています。

  1. 簿記の基礎
  2. 企業会計の基礎
  3. 原価計算
  4. 経営分析
  5. 利益と資金の管理
  6. キャッシュフロー(CF)
  7. 資金調達と配当政策
  8. 投資決定
  9. 証券投資論
  10. 企業価値
  11. デリバティブとリスク管理
  12. その他財務・会計に関する事項

大きく分類すると

  • 財務会計(1~2)
  • 管理会計(3~6)
  • ファイナンス理論(7~11)

の3分野から出題されます。

問題の難易度は「ファイナンス理論」(上記分野のうち⑺~⑾)が一番高く、この分野からの出題が増えると試験難易度が高くなります。

財務・会計の頻出論点

財務・会計の頻出論点には明確な傾向があります。これからお伝えする論点はほぼ毎年出題されるため、まず抑えるべき論点として抑えていきましょう。

  • 経営分析(特に安全性分析)
  • CVP分析
  • 設備投資の経済性計算
  • 企業価値算定(DCF法)
  • 証券投資論(CAPM、ポートフォリオ理論)
  • デリバティブ
  • 原価計算制度

他の科目同様、頻出論点をしっかり押さえることが大切です。

特に経営分析CVP分析設備投資の経済性計算は2次試験でも頻出の論点です。

ただ、財務・会計は、比較的出題範囲全体から満遍なく出題されており、他の科目のように出題確率の低い「捨て論点」は少ないただけでなく、1次試験では出題されなくても2次試験では出題される可能性のある論点もあります。

頻出論点だけに絞るのではなく、バランスよく勉強することが大切です。

中小企業診断士の財務・会計の勉強法

財務・会計はまず基礎を押さえないことには、問題に進めません。

そこで、基礎知識のない方は理論・理屈をしっかりと理解しましょう。

具体的な勉強の進め方

  • 序盤
  • 中盤
  • 終盤

の3つに分解すると、やるべきことがみえてきます。

序盤

まずは簿記の基礎知識を理解することが必須です。「B/S、P/Lって何?」「仕訳ってどうやるの?」という状態ではスタート地点にも立てません。

簿記の基礎はテキストでもあまり細かく解説されていません。基礎知識の無い方は日商簿記検定3級のテキストを使って、まずは簿記の勉強から始めることをおすすめします。

簿記の基礎が理解できたら、理論の理解に努めましょう。

テキストでの学習だけでなく、問題も同時に解いていくことが大切です。この段階では基礎的で簡単な問題に取り組みましょう。

いきなり難易度の高い問題に取り組むと苦手意識がついてしまいます。

基礎をきっちり身に付けることが重要なので、この時点では応用的な問題は必要ありません。

中盤

全体的に基礎が身についてきたら、問題演習を中心に取り組みます。論点ごとにやや高いレベルの問題にもチャレンジしていきましょう。

同じ論点でも、出題のされ方は年度により異なります。様々なパターンの問題に取り組むことで、応用力が身に付きます。

少しパターンが変わっただけで解答できなくなる場合は、基礎が理解できていません。そのような論点はもう一度テキストに戻って、基礎理論の理解に努めましょう。

中盤は自分の理解度を測定しながら苦手な分野をつぶしていくと共に、応用力をつけていくことが大切です。

終盤

先ほど書いた通り、財務・会計は試験時間が60分しかなく解答スピードも要求される科目です。終盤も問題演習を中心に取り組むべきですが、解くスピードも意識しましょう。

受験校の模試も活用して試験のタイムマネジメントのトレーニングも行うことが必要です。

また、もし余裕があれば2次試験の問題に取り組んでみるのもよいでしょう。2次試験の問題に慣れれば1次試験は簡単に感じることができます。

ただし、何度も言いますが大切なのは基礎です。基礎理論さえ身についていれば難易度に関わらず合格点獲得は可能です。

基礎の理解が甘いと感じた場合、放置せずもう一度テキストに戻って勉強し直すことが大切です。
中途半端な理解で試験本番に臨むことは絶対にやめましょう。

過去問の使い方

財務・会計は出題傾向が毎年似ているので、過去問も5年分は取り組んで慣れておきましょう。

出題のされ方は異なっても解法は同じということも多いです。過去問にしっかり取り組むことが大切なのは他の科目と同様です。

正解できたからOKではなく、きちんと解答を導き出したプロセスが正しいかも確認しましょう。

基礎がわからないままでは問題の意味も理解できないので、過去問に取り組む時期は一通り基礎理論が理解できてからで問題ありません。

また、財務・会計はタイムマネジメントが重要な科目です。直前期は「60分で解ききる」ことも意識してください。

計算問題は解答だけでなく計算プロセスも書き出してチェックすることが大切です。 計算プロセスを書いておくと、どこで間違ったのか後で確認することができます。

中小企業診断士の財務・会計勉強法のコツ

財務・会計の勉強は「手を動かすこと」が大切です。頭の中でだけ考えていてはダメです。

仕訳がわからない方は、簿記検定の問題などを使い、仕訳を書いていく。

中小企業診断士財務・会計(簿記)

財務諸表のつながりがわからない方は、B/S、P/Lなどの図を書いてみる。

中小企業診断士の財務・会計(BS)

頭で理解しようとするよりも、手を動かして、理屈を身体に覚え込ませる方が理解が早く進みます。

とにかく量をこなすことが大切です。1問だけでもいいので、毎日問題を解く習慣をつけましょう。

受験校のテキスト以外も活用しよう

テキストも受験校のものだけに拘るのではなく、自分のレベルに合ったものを使いましょう。受験校のテキストは理論の説明が十分でないものが多く、全くの初学者にとってはやや使いづらいです。

簿記検定のテキストや会計初心者向けの書籍を活用することも検討すべきです。

おすすめは

  • ざっくりわかるファイナンス/石野雄一
  • 財務3表一体理解法/國貞克則

の2冊です。

この2冊はファイナンス理論や財務諸表の考え方が、初学者でも理解できるレベルで丁寧に解説されています。

財務・会計初学者は早めのスタートが肝心

この科目も基礎理論の習得に時間がかかるので、初学者は早めに勉強を開始するべきです。

試験範囲も幅広い上、付け焼刃で対応できる試験ではありません。出遅れると間に合わなくなります。

中小企業診断士を取得しようと決めたならば、真っ先に取り組むべき科目です。

まとめ

財務・会計は2次試験にも関わる重要な科目です。

難易度も高く、大半の受験生にとっては最も勉強時間を費やす科目でしょう。

難易度が高いと言っても必要以上に恐れることはありません。基礎をきっちりと理解し、問題演習を繰り返せば初学者でも必ず合格できます。

とにかく量をこなしましょう。

コツがつかめれば一気に理解が進む科目でもあります。

最初は大変ですが、合格のためには逃げることはできません。時間を確保して、腰を据えて取り組むことが必要です。

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