1次試験対策

中小企業経営・政策で60点をとるために必要な中小企業診断士の勉強法

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中小企業経営・政策は、中小企業白書の内容が問われる「中小企業経営」と、中小企業基本法や各種中小企業施策について問われる「中小企業政策」の二分野から構成されています。

中小企業を取り巻く環境や、具体的な支援施策の知識が問われ、診断士として活動するためには理解しておかなくてはならない内容です。

この科目にはあまり時間を割けない方も多いかもしれません。しかし、他の暗記科目のような難問・奇問は少なく、しっかり学習すればその分報われる科目と言えます。

本記事では、中小企業診断士の中小企業経営・政策で60点を獲得するために、知っておくべき勉強法やコツについて解説していきます。

中小企業診断士の中小企業経営・政策の難易度(レベル)

中小企業経営・政策の難易度(レベル)は

  • やや難

です。

覚えることが多く、細かい数字まで問われるので、暗記が苦手な方にはやっかいな科目です。

経営情報システム経営法務のように、年度によって難易度が乱高下しずらい科目であるため、難易度は比較的安定しています。

出題パターンは毎年ほぼ同じですので、時間をかければかけるほど、安定的な得点が期待できます。

中小企業経営・政策の問題数と配点

中小企業経営・政策の問題数は42問、時間は90分です。

出題・配点は「経営」と「政策」でおおよそ半分ずつです。

問題数が多い分一問あたりの配点は2~3点と小さくなっています。

中小企業診断士の試験案内に記載されている運営管理の科目設置目的をみてみると、

中小企業診断士は、中小企業に対するコンサルタントとしての役割を期待されており、中小企業経営の特徴 を踏まえて、経営分析や経営戦略の策定等の診断・助言を行う必要がある。そこで、企業経営の実態や各種統 計等により、経済・産業における中小企業の役割や位置づけを理解するとともに、中小企業の経営特質や経営 における大企業との相違を把握する必要がある。また、創業や中小企業経営の診断・助言を行う際には、国や 地方自治体等が講じている各種の政策を、成長ステージや経営課題に合わせて適切に活用することが有効である。 このため、中小企業の経営や中小企業政策全般について、以下の内容を中心に知識を判定する。

引用:平成31年度中小企業診断士第1次試験案内

と書かれています。

中小企業経営・政策はその名の通り、

  • 中小企業経営
  • 中小企業政策

の2つで大きく構成されています。

中小企業経営・政策の科目合格率推移

科目合格率の推移は以下の通りです。

・平成26年度 31.2%
・平成27年度 12.2%
・平成28年度 12.5%
・平成29年度 10.9%
・平成30年度 23.0%

科目合格率を見ても、一桁の年は無く、比較的難易度は安定していることがわかります。しっかり勉強した方は合格点を獲得できています。

複数年度での一次試験合格を考えている方は合格目標年度にで合格を目指すべきです。経営法務経営情報システムと違って、難化リスクも最小限に抑えられからです。

中小企業診断士の中小企業経営・政策の勉強範囲

中小企業経営・政策は

  • 中小企業経営
  • 中小企業政策

の2分野が主な勉強範囲となります。

中小企業経営

中小企業経営の分野は

の3つです。

中小企業経営の頻出論点

  1. 業種別事業所数の推移
  2. 中小企業と大企業の比較(労働生産性、売上高、経常利益等の推移)
  3. 企業規模別の従業者数推移
  4. IT導入状況
  5. 小規模企業の企業数、従業者数推移

中小企業経営は受験前年度に公表されている中小企業白書と小規模白書からの出題がメインとなります。

そのため、最新年度に沿ったデータを覚える必要がありますが例年同じような箇所が問われる傾向にあります。

それは、●年度は●%などピンポイントな数値ではなく

  • 推移
  • 比較

で問われることです。

時系列でどのように変化しているか、業種別(企業規模別)で比較するとどうかなど推移比較の視点を意識して覚えるのがポイントです。

中小企業政策

中小企業政策の分野は

  • 中小企業基本法
  • 中小企業向けの各種施策、法律

の2つです。

中小企業診断士試験の中で、中小企業政策は過去問やテキストを丸暗記がそのまま得点に一番つながる分野です。

中小企業政策の頻出論点

中小企業政策の頻出論点は

  1. 中小企業基本法(基本理念・基本方針)
  2. 中小企業、小規模企業の定義(必出)
  3. 経営革新計画
  4. 下請対策関連施策
  5. 有限責任事業組合
  6. 事業承継関連施策(経営承継法)
  7. 小規模企業施策(マル経融資、小規模企業共済)

の7つは出題頻度が高い重要論点です。

なかでも、中小企業と小規模企業の定義は絶対に外せない重要論点です。

また、中小企業基本法の基本理念・基本方針も頻出なので、この部分だけでも暗記しておくと得点につながります。

中小企業と小規模企業の定義と中小企業基本法の基本理念・基本方針は、毎年のように出題されています。
中小企業診断士として知っていて当然の知識なので、必ず抑えておくべきです。

中小企業診断士の中小企業経営・政策の勉強法

中小企業経営・政策の勉強は

  • 完全に暗記

です。

そのため、あまり早い時期から勉強を開始してもおそらく試験までに忘れてしまいます。

いくら早く学習を開始しても、試験当日に忘れてしまったのでは意味がありませんよね。

暗記のピークを試験当日に持っていく勉強計画を立てられかが大事となります。

逆算して考えると、中小企業診断士試験の2~3ヶ月前から勉強開始で十分間に合います。

それまでは財務会計経済学・経済政策など理解が必要な科目を優先的に学習しましょう。

過去問の使い方

残念ながらこの科目は出題のベースとなる内容が毎年変わるため、あまり過去問が役に立ちません。

出題傾向やどのような問われ方をするのか参考にする程度で十分です。

過去問をがっつり解いても意味がありません。

特に中小企業経営に関しては過去のデータは役に立たないので、問題の傾向だけ把握すれば十分です。真剣に取り組む必要はありません。

中小企業診断士の中小企業経営・政策の勉強のコツ

中小企業経営の勉強のコツ

中小企業経営は主に前年度の中小企業白書、小規模企業白書の統計調査の内容から主に出題されます。

ただ、細かい数値を全て暗記するのは不可能です。

コツとしては、

  • 増加or減少or横ばい
  • 多いor少ないなどの傾向を押さえるようにしましょう。
  • 業種別、企業規模別

など傾向や比較で覚えると頭に残りやすくなります。

中小企業経営の過去問(平成30年度第2問設問1)をチェック

中小企業経営で出題される問題は、細かい数値よりも

  • 傾向を問われる

ケースが多いです。

例えば、中小企業経営の過去問(平成30年度第2問設問1)を見てみます。

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

総務省「平成26年度経済センサス-基礎調査-」に基づき、企業規模別(民営、非一次、産業)に、企業数と会社及び個人の従業者数を見た場合(2014年)、中小企業の構成比は全企業数の99.7%、従業者総数の70.1%を占めている。

また、総務省「平成21年、平成26年経済センサス-基礎調査-」、総務省・経済産業省「平成24年経済センサス-活動調査-」に基づき、2009年、2012年、2014年で比較すると、全企業数にしめる中小企業の構成比(%)は(  )傾向、従業者総数に占める中小企業の構成比(%)は( )傾向となっている。

なお、企業規模区分は中小企業基本法に準ずるものとする。

(設問1)文中の下線部について、小規模企業と中規模企業の企業数と従業者総数を見た場合の記述として、最も適切なものはどれか。なお、ここでは中規模企業は小規模企業以外の中小企業とする。

ア:小規模企業の企業数と従業者総数は、共に中規模企業とほぼ同数である。

イ:小規模企業の企業数と従業者総数は、ともに中規模企業より多い。

ウ:小規模企業の企業数と従業者総数は、ともに中規模企業より少ない。

エ:小規模企業の企業数は中規模企業より多く、従業者総数は中規模企業より少ない。

オ:小規模企業の企業数は中規模企業より少なく、従業者総数は中規模企業より多い。

出典:平成30年度中小企業経営・政策(第2問設問1)

中規模企業と小規模企業の企業数や従業者数などの細かい数値ではなく、

  • どちらの方が多いか少ないか

の比較で覚えておけば正解可能です。

近年の傾向として小規模企業白書からの出題が増加していることがあげられます。小規模企業白書の内容も押さえておくことが必要です。

中小企業白書・小規模白書の使い方

中小企業診断士の試験対策では中小企業白書、小規模企業白書をすべて読む必要は全くありません

市販テキストの方が中小企業試験対策用に要点がまとめられているため、市販テキスト中心の勉強が効率的です。

とはいうものの、中小企業白書、小規模企業白書は一度目を通しておくことをおすすめします。

なぜなら、中小企業白書、小規模企業白書には現状の中小企業をとりまく環境や課題がまとめられており、中小企業診断士試験の出題分野が推測できるからです。

例えば、社会的問題となっている事業承継の問題は、一次試験、二次試験通して、近年では数多く出題されています。

中小企業経営・政策の試験対策上は、市販テキストでの勉強で問題ありません。

しかし、中小企業白書、小規模白書には中小企業試験全体のヒントがたくさん詰まっていますので、必ず一度は目を通しておくべきです。

中小企業政策の勉強のコツ

中小企業政策は中小企業経営と比較すると、出題内容が安定しています。勉強効率が高いので、あまり時間がない方は中小企業政策を重点的に学習しましょう。

余談ですが、ここで学習する内容は診断士として活動する上では知っておくべき知識です。中小企業政策で学ぶ支援施策を理解しておくと、支援先に対して様々な提案ができるようになります。

特に独立を考えている方は、この際きっちりと理解しておきましょう。実務を行う際にも役立ちます。

中小企業政策頻出論点の小規模企業共済を例に過去問でチェック

中小企業政策の頻出論点である小規模企業共済を例に過去問をチェックしていきます。

小規模企業共済制度とは

国の機関である中小機構が運営する小規模企業共済制度は、

  • 小規模企業の経営者や役員
  • 個人事業主など

のための、積み立てによる退職金制度です。

掛金は全額を所得控除できるので、高い節税効果があります。

ポイント

  1. 小規模企業の経営者や役員、個人事業主など
  2. 掛金は加入後も増減可能、金額が所得控除
  3. 共済金の受け取りは一括・分割どちらも可能
  4. 低金利の貸付制度を利用できる

引用:小規模企業共済(中小基盤整備機構)

小規模企業共済の覚えるべき基本的にこの4つだけです。足らない部分は過去問を使いながら覚えれば問題ありません。
これは、小規模企業共済以外の論点も同じです。

平成28年度中小企業経営・政策の過去問(第16問)

平成28年度の中小企業経営・政策の過去問第16問を見ていきます。

中小企業診断士のA氏は、飲食店を経営するB氏から「廃業や退職に備え、生活の安定や事業の再建を図るための資金をあらかじめ準備しておきたい」と相談を受けた。そこで、A氏はB氏に、いわば「経営者の退職金制度」である小規模企業共済制度を紹介することにした。

この制度に関する、A氏のB氏に対する説明として、最も適切なものはどれか。

ア:一括して受けられる共済金は一時所得として取り扱われます。

イ:勤労者退職金共済機構と退職金共済契約を結び、掛け金を払うだけで、簡単に退職金制度を設けることができます。

ウ:この制度の対象となるのは、1年以上継続して事業を行なっている中小企業者です。

エ:その年に納付した掛け金は全額所得控除できます。

出典:平成28年度過去問中小企業経営・政策(第16問)

先ほどの小規模企業共済制度の

  • 小規模企業の経営者や役員、個人事業主など
  • 掛金は加入後も増減可能、金額が所得控除
  • 共済金の受け取りは一括・分割どちらも可能
  • 低金利の貸付制度を利用できる

の4つのポイントさえ覚えていれば答えにたどりけることが分かります。

まとめ

中小企業経営・政策は完全に暗記科目です。前述の通り、出題パターンは固定化しており、奇問も少ないので、学習した分だけ得点アップが見込め、得点源としても期待できる科目です。

反面、あまり時間をかけずに取り組みたい科目でもあります。ご紹介した頻出論点や勉強のコツを参考にして、効率よく勉強を進めてください。

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