1次試験対策

中小企業診断士の難易度(合格率4%)は高いが働きながら合格は可能

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中小企業診断士の資格は経営全般知識が体系的に学べることもあり、近年ビジネスパーソンの間で人気が高まっています。

ただ、公認会計士試験や税理士試験など他士業の試験と比較すると、試験に関する情報は少ないのが実情。

「実際どれほどの難易度なのか?」「合格まで何時間勉強しなくてはならないのか?」という疑問を解消するため、中小企業診断士の一次試験と二次試験の難易度を解説していきます。

一次試験の合格率からわかる中小企業診断士の難易度

年度

合格率

H30年度

23.5%

H29年度

21.7%

H28年度

17.7%

H26年度

26.0%

H26年度

23.2%

中小企業診断協会発表の資料によると、平成30年度一次試験の合格率は23.5%、平成29年度は21.7%、平成28年度は17.7%と年度により多少の前後はあるものの、毎年20%前後で推移しています。

5人に1人しか合格しないので、合格率だけを見ると難易度は高い試験だと言えます。

年代別における中小企業診断士の難易度

年齢

合格率

20歳未満

1%

20~29歳

14.6%

30~39歳

16.6%

40~49歳

17.0%

50~59歳

16.2%

60~69歳

13.5%

70歳以上

7.1%

平成30年度試験では40代の方の合格率が17.0%と最も高く、次いで30代(16.6%)、50代(16.2%)となっています。

経営全般に渡る広い知識の習得が求められる試験なので、やはり現役でバリバリ働いている世代の合格率が高くなっています。

勤務先別における中小企業診断士の難易度

勤務先

合格率

経営コンサルタント(自営業)

8.7%

税理士・公認会計士等自営業

26.0%

その他自営業

14.5%

政府系金融機関

23.2%

政府系以外の金融機関

16.2%

公務員

17.1%

経営コンサルタント事務所等勤務

13.4%

民間企業勤務

16.6%

中小企業支援機関

10.2%

独立行政法人・公益法人等勤務

15.6%

研究・教育

12.1%

学生

9.8%

その他

14.1%

平成30年度のデータを見ると「税理士・公認会計士等自営業」の合格率が25.9%で最も高く、次いで「政府系金融機関勤務」の23.2%となっています。

受験者の大半を占める「民間企業勤務」の方も16.6%と、比較的高い数値となっています。

逆に学生や、意外なことに「経営コンサルタント自営業」の方の合格率は10%を割り込む低い水準です。

中小企業診断士試験の重要科目である財務・会計に強い税理士や公認会計士、金融機関勤務者には有利な試験

二次試験の合格率からわかる中小企業診断士の難易度

年度

合格率

H30年度

18.8%

H29年度

19.4%

H28年度

19.2%

H26年度

19.1%

H26年度

24.3%

平成30年度の二次試験合格率は18.8%、人数にすると905人が合格しました。

二次試験の合格率は毎年20%前後。合格者数は800~1000人程度で推移しています。

中小企業診断士の二次試験合格基準は4科目の平均が60点以上(合計240点以上)かつ40点以下の科目がないことです。
しかし、合格者数を調整するため、点数は相対評価で調整されていると言われています。

年代別における中小企業診断士の難易度

年齢

合格率

20歳未満

50%

20~29歳

21.8%

30~39歳

23.5%

40~49歳

16.6%

50~59歳

12.8%

60~69歳

10.3%

70歳以上

0%

中小企業診断士の二次試験の年代別合格率には明確な傾向があります。それは「若いほど合格率が高いこと」です。

平成26年度から平成30年度までの5年間の年代別合格率を見てみると、平成30年度以外はすべて20代の合格率が一番高くなっています(20歳以下は受験者数が少ないため除く)。

そしてほぼ毎年、年代が上がるにつれて合格率は低下しています。70歳以上の合格者はこの5年出ていません。

二次試験は記述式であり、単純な暗記では対応できません。また、それぞれのケースに合わせた柔軟な解答が求められます。
ビジネス経験が豊富でも、固定観念や自分の経験に囚われてしまう人には対応が難しい試験であり、それが合格率にも表れています。

勤務先別における中小企業診断士の難易度

勤務先

合格率

経営コンサルタント(自営業)

11.5%

税理士・公認会計士等自営業

17.0%

その他自営業

17.4%

政府系金融機関

25.2%

政府系以外の金融機関

16.2%

公務員

17.2%

経営コンサルタント事務所等勤務

17.6%

民間企業勤務

19.9%

中小企業支援機関

13.7%

独立行政法人・公益法人等勤務

14.0%

研究・教育

6.7%

学生

18.2%

その他

9.4%

二次試験も勤務先別の合格率が公表されています。ここでも一次試験同様に「税理士・公認会計士等自営業」や「政府系金融機関」の方の合格率が高い傾向にあります。

試験の一科目である事例Ⅳ(財務会計)は難易度が高く、業務で会計に縁のない方には合格への高いハードルとなっています。 税理士・会計士や金融機関の方はこの点で有利と言えます。

中小企業診断士の合格に必要な勉強時間

中小企業診断士の合格までにはどれくらいの勉強時間が必要なのでしょうか。一般的には1000~1500時間ほどの勉強時間が必要です。もちろん個人差はあるので、あくまで目安となります。

中小企業診断士一次試験の科目別難易度と勉強時間

中小企業診断士の一次試験科目別の難易度

平成30年度の一次試験の科目別合格率です。

科目

合格率

経済学・経済政策

7.3%

企業経営理論

7.1%

運営管理

25.8%

経営情報システム

22.9%

経営法務

5.1%

中小企業経営・政策

23.0%

平成30年度だけを見ると経営法務が一番難易度が高く、経済学・経済政策が低い結果となります。

ただし、難易度の傾向は年度によって大きく異なります。ここ数年経営法務は難しい傾向にありますが平成25年度の合格率は21.1%と比較的易しい年もありました。

また、経済学・経済政策は逆にここ数年易化傾向ですが、平成25年度は2.5%という極めて低い合格率となった年度もありました。

科目別の難易度は一定ではないことに注意する必要があるでしょう。

中小企業診断士の一次試験科目別の勉強時間

科目別の勉強時間の目安です。

科目

目安勉強時間

難易度

二次試験関連度

経済学・経済政策

150~200時間

財務・会計

200時間以上

企業経営理論

200時間以上

運営管理

100~150時間

経営情報システム

70~100時間

経営法務

70~100時間

中小企業経営・政策

50~80時間

時間は基礎知識が無い状態から勉強を始めて、合格点が取れる実力になる時間の目安です。

個人差はありますが、ゼロから勉強を始めるとこれくらいの勉強時間が必要となります。

中小企業診断士二次試験の科目別難易度と勉強時間

二次試験は科目合格制度がなく、解答も公表されないため、明確な科目別の難易度を測ることはできません。

ただ、先ほど説明した通り、事実上上位20%を選抜する試験なので、難易度関係なく上位20%に入ることができれば合格することができます。

科目別の勉強時間の目安は以下の通りです。

科目

目安勉強時間

難易度

事例1(組織・人事)

50~100時間

事例2(マーケティング)

50~100時間

事例3(生産・管理)

50~100時間

事例4(財務・会計)

150~200時間

難易度は財務会計の知識が出題される事例Ⅳが高いです。

事例Ⅰ~Ⅲまでは合格点が取れているのに、事例Ⅳだけで不合格になる方も多数います。

事例Ⅳの攻略が二次試験合格への鍵となります。

中小企業診断士の一次試験における暗記科目の勉強時間

暗記が苦手な方は暗記科目に必要な勉強時間が気になるのではないでしょうか。

中小企業診断士の一次試験で「暗記科目」と言われる科目は「経営情報システム」「経営法務」「中小企業経営・政策」の3科目です。

科目

目安勉強時間

経営情報システム

70~100時間

経営法務

70~100時間

中小企業経営・政策

50~80時間

この数字は一般のテキストを一通り習得するのに必要な時間の目安です。

テキスト外のことまで勉強しだすときりがないので、基本的な事項をきっちり押さえることが大切です。

数字では見えない中小企業診断士の本当の難易度

ここまで、合格率から中小企業診断士試験の難易度を見てきました。ただ、その数字がすべてではありません。

一次試験に関しては、「会社から言われたから受験する」「資格取得よりも知識を身に付けることが目的」という方も多くいます。なので、合格率は20%ですが「資格取得を目的として真剣に受験した方」の合格率はもっと高くなるはずです。

そう考えると、一次試験に関しては必ずしも合格が困難な試験ではありません。

逆に二次試験を受験する方は、資格取得に向けて真剣に取り組んでいる方ばかりです。
その中で上位20%に入らないと合格できないので、こちらは数字以上に厳しい試験と言えます。

中小企業診断士の難易度は偏差値で60~65

中小企業診断士試験の難易度は偏差値で示すと60~65ほどと言われています。

司法試験や公認会計士試験ほどの難易度はありませんが、簡単に突破できる試験ではありませんが、頑張って勉強すれば誰でも合格にたどり着ける試験であることも間違いありません。

公認会計士や税理士などの難関資格者も受験者も多く難易度が高い

公認会計士や税理士の方が受験するケースも近年増加しています。

彼らは重要科目である「財務・会計」に大きなアドバンテージがあり、特に二次試験の事例Ⅳでは他の受験生と大きな差をつけることができます。

相対評価の二次試験では彼らとの競争になるので、この点が二次試験の合格難易度を高めているとも言えるでしょう。

まとめ

合格率が4%と聞いて「自分には無理だ」と思うかもしれません。

しかし、一次試験は科目合格制度があり、合格すれば二次試験は2回受験するチャンスがあります。短期間ストレート合格される方も一定数いる試験でもあり、決してチャレンジをあきらめる必要はありません。

「戦略を立てて勉強すれば、働きながらでも合格は不可能ではない試験」これが中小企業診断士試験における難易度の実態と言えます。

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